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Category : つぶやき

それは堕天使だった

天使界から追放され、それからは各地を転々としていた

何故それが天使界から追放されたか

自分が一番有能だという驕りとその裏腹にあるガラスのような心が原因だった

確かにそれは有能だった

だが、その自覚は奉仕が旨の天使界にあって邪魔でこそあれ

何の役にも立たなかった

それは誇り高いがゆえに否定されるのを忌み嫌った

育成が施されるにつれて顕著に顕われるようになった

教師らはそれが自分で気づくのを待っていた

まだまだ未熟であるがゆえのことと静観していた

それは純粋で繊細な資質を備えていた

伸ばしたい思いが教師らにあった

それはすべての教え子に等しく注がれる慈愛だった

ところが

それは己の未熟さが見えず、高慢さが眼に余るようになった

教師に対してさえ

見る目がないと憚らぬようになり…幾たびかの協議の末に

追放が決定された

それは初め哀願し、やがて込み上げる怒りが原動力になるかのように

迷宮に瞬く間に消え去った

それは彷徨い、孤独に身を置くうちに

その孤独を紛らわせる術を身につけた

内省は相変わらず為されなかった

ただ…絶えきれぬ孤立感を

何とかしようという思いだけがそれを突き動かしていた

そして、それは時のない狭間で地球を見つけた

その混沌たる様相に久しく眠っていた情熱が沸き上がるのを感じた

この孤独を癒せるなら何でも良い その思いがそれを突き動かしていた

万人を探索し、時代を超え、これというターゲットを絞った

その幾人かに接触するうちにふたつの家と時代に的を絞った

それは巧みに人間の心理を読み、何を望んでいるか、性格的傾向を読み

慎重になりすましを実行していった

巧みに現象を見せ、信じ込ませるため手練手管を使った

ふたつの時代 ふたつの家のターゲットが落ちた時

それの歓喜は最高潮に達した 

それは孤独から解放されるためならば手段を選ばない

そこまで追いつめられていた

自分の過ちに気づくことなく、一心に孤独から解放されるのを願っていた

永遠の孤独

誰からも顧みられることのない 

それこそがそれにとって最大の屈辱だった

天使だった頃の面影は既に失われていた




何もかもが思い通りに行くかに見えた刹那・・・邪魔が入った

なりすましをとうとう見抜かれ、それはあっけなく元の迷宮へと消え去った




堕ちた天使

人はそう呼ぶ

悪の限りを尽くす輩と蔑む

だが、それは巧妙さを何故に身につけたのかを人は知ろうとはしない

未来永劫 知られることはないのだろう

聖水を浴びせられ、呪文で焼かれ、それは邪悪なものとして追放される運命

何故にそれは天使の道を踏み外したのか







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(2016年12月27日記)

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